昔は毛穴といえば、小鼻だった。黒ずみが気になったり、角栓を見つけて「取りたい!」と思ったり。ところが40代になって、ふと鏡を見ると、「ん? 最近、頬の毛穴の方が目立ってない?」なんて感じることはありませんか?
しかも、よく見ると丸ではなく少し縦長。ファンデーションを塗った方が、かえって毛穴が目立つ日まである。そうなると、「ちゃんと落とせてないのかな?」「毛穴に何か詰まっている?」と思いますよね。
ですが40代の頬の毛穴は、毛穴の中ばかり見ていても答えが見つからないことがあります。 実際、日本人女性の毛穴を調べた研究でも、年齢とともに頬の毛穴の見え方が変化することが確認されています。
今回は、「最近、頬の毛穴が変わってきた気がする」という40代の方に、たるみ毛穴をどう考えればいいのか、一緒に見ていきましょう。
この記事を書いた人

水野志音
リバースエイジング美容家
銀座で、女性のくびれに特化した
美体造形®︎筋膜リリース専門のエステサロンを経営。
単価55,000円という高額メニューにも関わらず、全国から多くのお客様にご来店いただくサロンへと成長。
コロナ感染拡大時には、いち早くサービスのオンライン化に取り組み、エステの新しい形を創り上げる。
さらに、艶髪協会代表理事として、年齢を重ねても艶やかに美しく生きる女性を増やすために、髪の悩みを通して女性の自信と可能性を引き出す活動を行っている。
美しくなることで、自分をもっと好きになり、
その先の人生まで輝かせる女性を増やすために、
美容・学び・活躍の場づくりを続けている。
その「縦長の毛穴」、気のせいとは言い切れません
ちょっと面白い研究があるんです。
10代から70代までの健康な日本人女性98人を対象に、頬やあごの毛穴を調べた研究があります。顔の4か所から皮膚表面のレプリカを採取して、毛穴の面積や長さなどを調べたところ、頬の上部と中部では、年齢とともに毛穴が長くなる傾向が確認されました。

さらに年代別では、頬中部の毛穴の総面積が40代で最も大きいという結果でした。
参考資料:openalex.org
もちろん、「40歳になったら突然、毛穴が縦に伸びます!」という話ではありません。これは98人を調べた一つの研究で、肌には当然個人差があります。
ただ、「若い頃の毛穴と、なんだか違う」「最近は鼻より頬が気になる」。そんな感覚まで「気のせいかな」で終わらせなくていいんです。鼻から頬へ。丸く見えていた毛穴が、少し縦長に見えてくる。 年齢とともに変わるのは、シワやたるみだけではなく、毛穴も「見え方が変わることがある」ということなんですね。
そもそも「たるみ毛穴」って何?
「たるみ毛穴」って、美容雑誌や化粧品売り場でよく聞きますよね。一般的には、頬などの毛穴が丸ではなく、楕円形やしずく形、縦長に見える状態を表す美容用語として使われています。年齢とともに肌のハリや弾力が変化することも、こうした毛穴の見え方に関係すると考えられています。
では、ここでご自分の毛穴をちょっと思い浮かべてみてください。黒く見える? 触るとザラザラする? 丸く開いている? それとも縦長に見える?
全部まとめれば「毛穴が気になる」です。でも、これを全部同じケアで何とかしようとするのは、私はおすすめしません。黒く見える毛穴と、頬で縦長に見える毛穴では、気になっている理由が同じとは限らないからです。
「毛穴だから、全部毛穴ケア」から一度離れてみましょう。
どうして40代になると、頬の毛穴が縦長に見えるの?
毛穴を見ると、つい中をのぞきたくなりませんか?「何か詰まってない?」「もっと取った方がいい?」「クレンジングが足りない?」。気持ちはすごく分かります。
ただ、頬の毛穴で私がぜひ見てほしいのは、毛穴そのものより、その周りの肌なんです。
20代から60代の日本人23人を調べた研究では、加齢とともに頬の皮膚弾力が低下し、毛穴の深さが増えていました。また、毛穴の形や深さと、皮膚の弾力やたるみとの関連も確認されています。
参考資料:jstage.jst.go.jp
つまり40代からは、「毛穴の中に何がある?」だけではなく、「その毛穴を囲んでいる肌はどうなっている?」まで見てほしいんです。頬の毛穴が気になり始めた方は、見る範囲を少し広げてみてください。それだけでも、毛穴ケアの考え方がずいぶん変わります。
同じ人でも「座っているとき」と「仰向け」で毛穴の測定値が変わったんです
先ほどの研究には、もう一つ面白い結果があります。座っている状態だけではなく、同じ人が仰向けになった状態でも頬の毛穴を測定しているんですね。
すると仰向けでは、座っている状態と比べて、同じ頬で測定された毛穴の面積と深さが有意に小さくなっていました。
「えっ? じゃあ寝ていれば毛穴が小さくなるの?」と思いますよね。もちろん、そういう話ではありません。「寝れば毛穴が改善する」「姿勢を正せばたるみ毛穴がなくなる」という結果ではないので、ここは間違えないでくださいね。
この研究で面白いのは、毛穴の見え方が、毛穴という小さな穴だけで決まっているわけではないというところです。周りの皮膚の状態や、皮膚にかかる力が変われば、毛穴の測定値まで変わる可能性がある。
だったら、頬の毛穴が気になったときに「中の角栓を取ろう!」だけでは足りないと思いませんか?私は、40代からの毛穴ケアでは、この視点をぜひ持っていてほしいと思っています。
あなたの毛穴はどう見える?鏡で3つだけ確認してみてください
「じゃあ、私の毛穴はどうなの?」と思った方もいると思います。難しく考えなくて大丈夫です。まず鏡を見たときに、次の3つを確認してみてください。
1.気になるのは鼻?それとも頬?
昔から小鼻が気になるのか。それとも最近になって、頬の毛穴が目につくようになったのか。「気になる場所が変わったか」を見てみてください。
2.毛穴はどう見える?
黒い。ザラつく。丸い。縦長に見える。ただ「毛穴が目立つ」で終わらせず、どう目立っているのかを見ます。ここ、けっこう大事です。
3.20代・30代の頃と何が変わった?
ずっと同じ毛穴が気になっていたのか。それとも40代に入ってから、頬の毛穴が気になり始めたのか。昔の自分と比べると、今の肌の変化が見えやすくなります。
「私の毛穴って、そもそも何タイプ?」という方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

たるみ毛穴が気になるなら、「取ればいい」から一度離れてみて
ここまで読むと、「だから頬の毛穴に角栓ケアばかりしても、話が合わないことがあるのね」と少し見えてきたのではないでしょうか。
別の日本人女性248人を調べた研究でも、20〜30代で目立つ毛穴には角栓が存在していた一方、40代以降では角栓が存在しなくても目立つ毛穴が確認されています。
だから、頬の毛穴が目立つ → 汚れが詰まっている → 取らなきゃ!と一直線に進まなくてもいいんです。もちろん、本当に角栓や黒ずみがあるなら、適切に洗うことは必要です。
ただ、縦長に見える頬の毛穴が気になっているのに、押し出したり、何度もこすったり、クレンジングを強くしたり……。それ、本当に今気になっている毛穴に合ったケアでしょうか?
毛穴が気になると、つい「もっと」が増えるんですよね。もっと洗う。もっと取る。もっと何かを塗る。私は、そこを一度見直してほしいと思っています。
じゃあ、40代のたるみ毛穴には何をしたらいい?
ここまで原因の話をしてきましたが、一番知りたいのはこれですよね。「結局、私は何をすればいいの?」
いきなり美容を全部変える必要はありません。まずは今しているケアを見ながら、3つ確認してみてください。
1.取りすぎ・こすりすぎになっていない?
毛穴を見ると、触りたくなる。押し出したくなる。何度も洗いたくなる。毛穴パックや角質ケアも足したくなる。
分かるんですけど、縦長に見える頬の毛穴まで、毛穴の中だけを攻め続けないでください。必要な汚れは落とす。でも、余計にこすらない。 これだけでも、まず見直してほしいポイントです。
2.保湿、ちゃんと今の肌に合っていますか?
「たるみ毛穴なら、ハリ用美容液!」と、すぐ何かを買い足したくなるかもしれません。でも、まずは今の保湿が自分の肌に合っているでしょうか。
保湿でたるみそのものが元に戻るわけではありません。ただ、肌のうるおいを保って、なめらかに整えることは40代からのスキンケアの基本です。新しい一本を足す前に、今している基本のケアを一度見る。 私は、その順番をおすすめします。
3.日焼け止め、「夏だけのもの」になっていませんか?
シミが気になるから夏は日焼け止め。そこまでは皆さんかなり意識されていますよね。でも、40代からは紫外線対策を「シミだけ」の話にしないでほしいんです。
米国皮膚科学会も、40代・50代のスキンケアで紫外線対策を基本的なケアとして挙げています。紫外線による光老化は、肌のハリや弾力にも関係します。
参考資料:aad.org
だから日焼け止めは、真夏だけ頑張るイベントではなく、これからの肌全体を守るためのケアとして考えてみてください。
高い美容液を塗れば、たるみ毛穴は元に戻る?
これ、気になりますよね。「たるみ毛穴なら、ハリ美容液?」「もっと高いクリームを使えばいい?」。美容が好きな方ほど、何か足したくなると思います。

ただ、ここは分けて考えましょう。化粧品による保湿や紫外線対策などで、肌を健やかに保ち、なめらかな状態を目指すことはできます。一方、化粧品だけで加齢に伴う顔の構造的な変化そのものを、若い頃と同じ状態に戻すという話ではありません。
毛穴についてまとめた医学レビューでも、目立つ毛穴には皮脂量、毛穴周囲の弾力、毛包の大きさなど、複数の要因が関係するとされています。
参考資料:cau.scholarworks.kr
だから私は、「これ一本だけ塗っておけば大丈夫!」という美容にはしたくないんです。 じゃあ、スキンケアは意味がないの?もちろん、そんなこともありません。
強くこすらない。乾燥を防ぐ。紫外線から守る。そして、今の自分の肌に必要なものを選ぶ。すごく地味に聞こえるかもしれませんが、美容って毎日のことですからね。
何を一回やったかより、毎日自分の肌をどう扱っているか。 私は、そこを大事にしたいと思っています。
40代の毛穴は、「穴」だけ見ないでください
20代の頃は、小鼻の角栓が取れたら「わあ、きれいになった!」と満足できたかもしれません。でも40代になって、気になる場所が鼻から頬へ変わってきた。毛穴も丸ではなく、少し縦長に見えてきた。
だったら、美容の見方も今の自分に合わせて変えていいんです。毛穴の中だけではなく、洗い方はどう? うるおいは足りている? 紫外線対策は続けている? 頬全体の肌はどう見える? そこまで見る。
「もう年齢だから仕方がない」と諦める必要はありません。ただ、20代と同じケアをずっと続けながら「なんで変わらないんだろう?」と悩み続ける必要もないんですよね。
肌が変わったなら、美容も今の自分に合わせて更新していく。 年齢に抗って昔の自分へ戻ろうとするのではなく、今の自分を見ながら、これからの美しさをつくっていく。
私は、それが40代からのリバースエイジングだと思っています。
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参考情報:
- 西島貴史ほか「加齢に伴う顔面皮膚表面形態の部位差」Journal of Society of Cosmetic Chemists of Japan
- 飯田年以・小野隆之「頬部たるみと毛穴形状の変化」日本香粧品学会誌
- Lee SJ, et al. “Facial Pores: Definition, Causes, and Treatment Options.” Dermatologic Surgery
- American Academy of Dermatology「Skin care in your 40s and 50s」

